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Frost Giantが作るRTSの未来

いつもの通り旬を過ぎたネタではありますが、Blizzard Entertainmentを去ったメンバーがいろいろと新開発会社を立ち上げた。その筆頭となるのはBlizzard Entertainmentの元CEO兼共同出資者のMike Morhaimeが率いるDreamhavenですね。同社は同時に2つの開発スタジオを発表しており、メンバーはいずれも元Blizzard Entertainmentで名の知れた開発者ばかりだ。しかしながら現時点では「元Blizzardの主要メンバーで構成された新会社をMike Morhaimeが立ち上げた。」以外の情報はないので、おそらく現時点での狙いは「求人」だと思う。会社の理念を読む限り「独立性」というテーマが含まれていて、これはBlizzard時代に株主であるActivision Blizzardとのゴタゴタでいろんな問題が起きて、Mike Morhaimeが退任したのもその影響であることは想像に難しくないので、もしかすると「出資」は今も未来も求めていないのかもしれない。だとすると、処女作が出るまで完全に自己資金で運用していくことになるが、周知の通り現代のゲーム開発費というのは数億円では収まらない。Blizzardを共同出資して生み出し、そしてCEOとして長年率いた人の資産というのは、ちょっと信じられない額になってるっぽい。

その少し後に別の2つの会社の設立も報じられた。ひとつはWarchief GamingでChris MetzenとMike Gilmartinという、これまた元Blizzard Entertainmentの主要人物の2人が共同出資して立ち上げている。この会社がまた面白い存在で、既にテーブルトップゲームを楽しむクラブ、もしくはコミュニティのようなイベントを行っているようで、さらに独自のゲーム開発もスタートさせているようだ。日本語だとテーブルトークRPGって言ったほうが正確なのかな?要するにダンジョンズ&ドラゴンズに代表されるようなボードゲームだ。渋い、渋すぎる。自分はあまり同ジャンルに馴染みはないけれども、素晴らしい世界だと思うのでぜひとも成功してほしい。

そしてもうひとつの会社というのが、今回のメイントピックであるFrost Giantだ。

Frost Giantについて我々が今知っていること

まず最初の注目ポイントはそのスタッフの面々だ。公式サイトを見てもらったらすぐに分かるように、Tim MortenをはじめとしてStarCraft2とWarCraft3に関わった主要なスタッフが中心になっている。というかDreamhavenやWarchief Gamingも含めて、自分がBlizzard在籍時代に会話した人も多く、3社とも「あの日のBlizzard」そのまんまだ。そしてFrost Giantは「次世代のAAAクラスRTSゲームを作る」というビジョンを掲げている。

次に分かっているのは「470万ドルの資金調達に成功している」ことだ。日本円にして5億円弱。しかしながら、5億円じゃあ次世代のAAAクラスゲームは到底作ることは出来ない。全然足りない。なのでおそらく現時点での目的は「RTS愛好家と会話して、話題を可視化して、開発の参考にすること。」と「同じく話題を可視化して次のラウンドの資金調達に向けて交渉相手を見つけること。」の2点だと思う。これは、独立性を重視して他の資本が入るのを避けている(と勝手にsugeoさんが邪推している)Dreamhavenとの大きな違いだ。

他にもまだ知っていることはある。我らがArtosisがホストを務めるWeekly SC情報発信番組のThe Pylon ShowでFrost Giantの主要メンバーがいろいろな質問に答えていた。その中でいくつか気になった点をピックアップしたい。

  • 出資者にRiotの名前もあるがFrost Giantは独立した環境で事業を展開する
  • 次世代のAAAクラスRTSを作ることがゴールであり存在意義
  • 長い期間に渡って楽しまれるゲームを作る
  • 入口のハードルは低いが極める奥深さもあるゲームを目指す
  • たとえばオートキャストがあったとしても80%の成果までは出せるが残り20%は熟練の技ではないと満たせないイメージ
  • 種族数は決めていない(しかし3つか4つが議題として目立っていた)
  • WC3のようなヒーロー式?SCのような軍隊式?決まってないしみんなの意見を聞きたい
  • ゲーム内のチャットシステムなども未定だが餅は餅屋としてゲーム内では強化しないかもしれない
  • Esportsシーンは大いに意識している
  • ファンタジー?SF?まだ分からないしみんなの意見を聞きたい
  • チーム戦についてはどこまで出来るか分からないが改善の余地は大きい分野だと認識
  • 自社エンジンは作らずに既存のゲームエンジンを活用してゲームの開発に最大限時間を使いたい
  • Frost GiantのSNSをフォローしたり公式サイトからサブスクライブ(メーリングリスト登録)したりして我々と繋がってくれればサポートになる

こんなところでしょうか。やはり発言からハッキリと感じられるのは「イメージのベースになっているのはSC2とWC3の2作品である」ということですね。そういう意味では、BlizzardのRTSファンは期待して待っていても良いんじゃないでしょうか。

スタクラ1至上主義者過激派にとって

前のブログでも書いたように、僕自身は絶滅危惧種に指定されているスタクラ1至上主義者過激派なので、少なくとも今の時点では「まぁたぶん僕みたいなのは何が出てもずっとスタクラ1やってるんだろうな」とは思いますね。上記の質疑応答でもあったように「始めるのは簡単だがマスターするのは難しい」というアプローチは完全にSC2と一致していて、話の内容的には王道RTSを開発する気が強いように聞こえるので、おそらくWC3のように内政の簡素化をする代わりにヒーロー制とマイクロコントロールに重きを置く、みたいな変化球気味のRTSを出してくることは、少なくとも1作目にはないような雰囲気が強い。しかしながらこの「始めるのは簡単だがマスターするのは難しい」というSC2開発時からずっと叫ばれてきているテーマそのものが、おそらく自分が楽しんでいるSC1のエッセンスと真っ向から対立するものなのだと思う。これは「難しいほうが楽しい」という意味ではなくって、SC1の根底システムは「ゲームとしての遊びやすさ」よりも「現実世界の兵法や軍事行動のように無慈悲とも言えるリアリティ」に近いのだと思う。そしてそれが難しさ、達成感、強者への圧倒的なリスペクトなどに繋がっているんだろうなぁ、と。なのでやっぱりSC2がそうであったように「ゲームとしてはよく出来たゲーム」であっても「焼き焦げるような情熱」を生む作品はまた別なのかもしれない。まぁ出たら絶対遊びますけどね。うん。

我々が次世代AAAクラスRTSのために出来ること

これも質疑応答でしっかりと明言されていましたね。彼らのSNSをフォローして、メーリングリストに登録して、とにかく新作RTSの登場をワクワクして待とう。そして出来ればそれを目に見える形で表現しよう。ってことですかね。

上記で述べたように5億弱ではゲーム1本も作れなくて、求人ポジションも少ないことから、明らかにFrost Giantがこのタイミングで声明を発表した狙いは「将来的な資金調達への準備」にある。RTSファンが声を出せば出すほど、彼らの活動に投資価値を見出す人が多くなり、結果的に次世代AAAクラスRTSが世に出るための手助けになる。なのでRTSファンはしっかり期待するその気持ちを発信していきましょう。うん。

ちなみに、ちょっと気になったことだけど、The Pylon Showの中でFrost GiantとDreamhavenとの連携はあるのか?という質問が飛んでいた。それに対してFrost Giantは「実際のところDreamhavenとは話したことがある」という発言が出てきた。自分の予想だと「外から出資を受けない」ことを条件にあげている(と自分が推測している)Dreamhaven側と、もうすでに資金調達の段取りがついているFrost Giant側の方向性が合わない。という部分が大きいんじゃないかな。とは思うのですが、Dreamhaven側はRTSに対してどう考えているのかは気になりますね。まずMike MorhaimeはStarCraftが大好きです。マジでめっちゃ好きです。社内でも有名だし、実際に彼と話してもそれを感じられた。(マジで在籍中彼と言葉を交わす経験が出来て良かった…)Dreamhaven側にもStarCraftやWarCraftで重要な役割を果たしたメンバーは多いので、両方からRTSが出たら面白いんですけどね。ほんとに。

ってことでここまで本ブログを読んだ奇特な人は忘れずFrost Giantチェックしてくれよな。

Frost Giant関連リンク

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